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「ひとりごと」008 私は幸せです 2008.03.26
「その人と私が一緒にいて、そのとき私は幸せです。このことをその人に伝えたいの。日本語では何と言うの?」目をキラキラと輝かせながら、その子は私に聞いてきました。ソイカウボーイにある、ゴーゴーバーでのことです。
その子は、そのゴーゴーバーのダンサーです。働き始めて、半年近くになるでしょうか。一所懸命に日本語を覚えて、客の男性と話をしようとしています。以前から、「キットゥン(คิดถึง)」は日本語で何と言うのかなどと聞かれてました。きっとその言葉も、その「恋しい」人に思いを伝えるためだったのでしょう。
彼女は、少し太めのダンサーです。でも、笑顔がとてもかわいらしいコラート出身の20歳。人懐っこい性格で、いつも私の席に来てちょこんと座ります。けして自分から飲物をねだることをせず、3杯目をご馳走しようとすると、無理しなくていいと、遠慮するくらいなのです。
「あなたと出会えて幸せです。」そう彼女が伝えたい人は、タイに住む日本人男性です。日本人の奥さんがいて、タイ人の恋人もいるそうです。そんなジャオチュー(เจาชู:浮気者)がいいのかと聞くと、「でも、彼は正直で優しい。」のだと。
その人は、妻も恋人もいることを、正直に話してくれたのだそうです。その上で、週に1〜2回やってきて、ペイバーだけして、お金を払ってくれることもあるのだとか。「私はギックでいい。彼は、私をドゥーレー(ดูแล:take care)してくれる。ウソをつかない優しい人なの。だから好き。」 少女のように顔を赤らめながら、彼のことを話す彼女の顔は、本当に嬉しそうです。
因みにギックというのは、「友達以上恋人未満」ということらしいのですが、むしろ「愛人」とか「セックスフレンド」と言ったほうがわかりやすいかもしれません。また、ドゥーレーというのも、彼女たちが英語にするとtake care(世話する)と言うのですが、「面倒を見る」と言った方がニュアンスが近いと思います。
ゴーゴーバーで働いていても、彼女たちは普通の女の子なのです。優しくされれば嬉しいし、客を好きになることもあります。金だけを追い求めているわけじゃないけれど、「お金=愛」という考えもあるのです。自分のためにたくさんお金を払ってくれる人、それは自分を愛してくれる優しい人、という思いです。
これは、タイ人の教育とも関係しているかもしれません。タイでは幼いころから、人生において大切なものがあることを教えます。その第1は、必ずお金なのです。人生でもっとも大切なのはお金。その人にとっても大切なお金を、私のために払ってくれる。それは、私を愛しているから。
ただ、やはり最後は気持ちです。事情があってあまりお金を払えないのなら、それを正直に伝えれば彼女たちもわかってくれます。ウソをつけば、それがたとえ冗談のつもりだったとしても、信用されなくなるでしょう。正直で優しいこと。どこの国の人であっても、この価値観は変わらないのかもしれません。
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